二人の妻

夫婦とは何か。 結婚とは、夫婦当事者と家族をどんな絆で結びつけていくのか。 結婚や離婚が夫婦二人だけの問題だと簡単に考えるこの頃だ。 家族という枠組みの中で夫婦が離婚という痛みをどうやって乗り越えられるか。 痛みと混乱を経験して、本来あるべき居場所を探し求める夫婦を通じて、夫婦愛と家族愛を同時に充足させてくれるドラマをお見せしようと思う。 浮気して糟糠の妻と別れた夫が交通事故に遭い、再婚した妻は記憶になく、あっさり捨てた前妻しか思い出せない。そのために引き起こされる夫と二人の妻の、悲愴な波乱万丈のロマンス。そして彼らの周りで右往左往する家族たちとの喜怒哀楽。韓国の30～40代の夫婦の最大関心事は財テクに子供の教育、それと夫婦がお互いに相手に秘密の愛人を持つことだそうだ。 このドラマの最初の見どころは主人公たちがお互い違う方向に気を取られている点だ。妻は財テクが、夫は愛テクが最大関心事。恋は雨と供に訪れると固く信じているロマンティストの夫に比して妻は、恋はお金と供に来るものだと言い切る。あまりにも接点のない二人の不協和音はついにひび割れをおこして、不倫という大嵐に揺れることになる。しかし不倫はドラマの導入装置にすぎない。夫婦が少しずつ歩みより理解しあっていく生活ドラマだ。そしてお互いを束縛せず、クールに生きる別の夫婦の話が交じって「夫婦とは何か、家族とは何か」をひも解いていく。